WSL+Alpine Linux版rfriends3でラジオ録音
Windows Subsystem for Linux (WSL) にAlpine Linuxをインストールし、それにrfriendsをインストールしてラジオ録音を楽しもうという企画です。
すでにrfriends3もインストール、設定済なのでイメージをインポートするだけで簡単に使用開始できます。
初版:2025/08/20
改版:2025/08/23
[!NOTE] 以下、混乱しがちなので
PowerShellの時は PS>
Alpine Linuxのターミナルの場合、
実行ユーザ(alpine)は $
ルートユーザ(root)は #
とします。また、wslを実行しているPCを”ホストPC”、
wsl下で実行しているAlpine Linuxを単に”Linux”と記述しているところもあります。
もし、すでにwslのインストールが済んでいる方は、3.のAlpine Linuxのインストール
に進んでください。
1.システム要件
以下のコマンドによるインストールを行うには、
Windows 10 バージョン 2004 以降 (ビルド 19041 以降) または Windows 11
を実行している必要があります。
以前のバージョンの場合は、 手動インストールを行ってください。
また、Windows Updateでシステムを最新にしてください。
最新でないと、インストールに失敗することがあります。
システムを最新にするのが不安な方はインストールを中止してください。
2.wslのインストール
PowerShell(管理者)を起動し、以下のコマンドを実行します。( - は2個)
PS> wsl --update
PS> wsl --install
一旦、Windowsを再起動してください。
wslのインストールはこれで完了です。
3.wsl(alpine)版rfriends3のインストール
3.1 インストールスクリプトをダウンロード
1) ここでは仮にc:\wslを作業ディレクトリとします。
c:\wsl ディレクトリを作成してください。
2) インストールスクリプトを以下よりダウンロードしてください。
右クリックして、名前を付けてリンク先を保存(c:\wsl)してください。
http://rf3.s331.xrea.com/storage/insalpine.bat
「安全でないダウンロードがブロックされました」と表示された場合は、「保存」をクリックしてください。
3.2 wslイメージのインストール
c:\wsl\insalpine.bat をダブルクリックすると、インストーラが起動します。
y(リターン)を入力すると、インストールが開始されます。
インストールはこれで完了です。
## 4.この項なし
5.wslイメージ(backup-alpine.tar)の起動
PowerShellを起動し、以下のコマンドでAlpineにログインします。
PS> wsl -d Alpine
以下のコマンドでIPアドレスを確認してください。
$ ip a | grep eth0
この場合、IPアドレスは12.31.205.45
です。
これをメモしてください。
すでに、rfriends3は動作しています。
[!CAUTION]
wsl上で複数のAlpineを実行しないでください。 wslの仕様上、同一のIPアドレスを持つためです。
6.rfriends3
6.1 rfriends3にアクセス
5.でメモをしたIPアドレスを使ってrfriends3にアクセスします。
ホストPCからWEBブラウザ(chrome,edge,firefox等)で上記で表示された
12.31.205.45:8000
と入力し、以下のような画面が出たら成功です。ブックマークすると便利です。
6.2 チュートリアル
マニュアルのページのチュートリアルで基本的な操作を覚えてください。
7.rfriendsのデータにアクセス
rfriendsのデータにアクセスするには2つの方法があります。
7.1 エクスプローラ
Windowsのエクスプローラを開くと、左メニューにLinuxという項目があると思います。
それをクリックすると、右にAlpineというフォルダが表示されます。
以下、Alpine¥home¥alpine¥smbdir¥usr2 を辿っていけばrfriendsのデータにアクセスできます。
7.2 samba
sambaも動作中なので、エクスプローラに
\\172.31.205.45
と入力してもアクセスできます。
こちらのほうが簡単かもしれません。
8.外部PCからのwebアクセス
同一LAN内の外部PCからrfriendsへのアクセスを行うための設定は以下のとおりです。
通常は、この設定は行わないほうがいいと思います。
外部PCからWebアクセスするためには以下の2つの設定が必要になります。
1)ホストPC -> Linux へのポートフォワーディングを設定する。
PS> netsh.exe interface portproxy add v4tov4 listenaddress=<ホストPCのipアドレス>listenport=8000 connectaddress=<ubuntuのipアドレス> connectport=8000
2)ホストPCのfirewallの設定で、ポート8000を開放する。
ホストPCで、コントロールパネルの “Windows Defender”
を開きます。
ポート8000を開放する規則をrfriendsという名前で設定する。
詳細設定 - 受信の規則- 新しい規則 - ポート - 次へ
TCP
特定のローカルポート
8000
接続を許可する
プライベート,パブリック
rfriends
完了
3)外部PCから
http://ホストPC:8000
でrfriendsにアクセスできることを確認する。
9.Linux+rfriends3の削除方法
うまく動作しないとか、不要になった場合の削除方法です。
「7.rfriendsのデータにアクセス」を参考に必要なデータは保存しておいてください。
Linuxからexitします。
$ exit
PowerShellを起動し、現在の状況を表示します。(Linuxが実行中)
PS> wsl -l -v
NAME STATE VERSION
* Alpine Running 2
Linuxをシャットダウンし、登録を解除します。
Linux、rfriends、録音したデータ等すべて消えます。
PS> wsl -t Alpine
PS> wsl --unregister Alpine
登録解除。
この操作を正しく終了しました。
10.パスワード
初期パスワードは以下のとおりです。
セキュリティ上、変更してください。
実行ユーザ alpine/alpine
ルートユーザ root/root
1) Alpineにログイン
PS> wsl -d Alpine
Entering /sbin/init PID: 9
$
2) 実行ユーザalpineのパスワード変更
$ passwd
Changing password for alpine
Old password:
New password:
Retype password:
passwd: password for alpine changed by alpine
$
3) ルートユーザのパスワード変更
$ sudo -i
[sudo] password for alpine:
# passwd
Changing password for root
New password:
Retype password:
passwd: password for root changed by root
# exit
$
4) Alpineからログアウト
$ exit
PS>
$
11.最後に
いかがでしたか?
Windowsのrfriends3ユーザにとって、最も良い選択だと思います。
Alpine Linuxを選択した主な理由は、配付容量が小さくて済むからです。
rfriends3をインストール済のtarファイルで約950MB、zip圧縮すると約350MBです。
他のディストリビューションですと、3GBを超えてしまいます。
インストーラを.ps1ではなく.batにしたのは、そのほうが入力や操作が簡単になるからです。
Powershellのスクリプトはセキュリティ関連が面倒です。
実行イメージのインストールを手動で行いたい方は
mkdir c:\wsl
cd c:\wsl
curl -L http://rf3.s331.xrea.com/storage/backup-alpine.zip -o backup-alpine.zip
tar -xf backup-alpine.zip
wsl -t Alpine
wsl --unregister Alpine
wsl --import Alpine Alpine backup-alpine.tar
なお、この実行イメージは、
wslにalpine-minirootfsをインポートし、openrc等の追加・設定を行ったものにrfriedns3をインストールしました。
Dockerは使用していません。
openrcの設定については以下を参考にさせていただきました。
今更ながら WSL2 の Alpine で Docker 環境構築
以上